ステージ発表が終わった。
バンドだとか今流行ってるアイドルグループのモノマネだとか、いろんな出し物があって楽しかった。
終わると同時にあたしは先輩に一声かけていった。
「龍によろしくねー?」
先輩は、どうやらあたしの考えてる事がわかってるらしい。
だてに1年長く生きてないなぁ。
つか、今初めてあったばかりなのに、龍のお姉さんってだけで親近感が…。
あたし、もしかしたらお姉さんと相性いい?
なーんて…。
「あ、龍」
龍は自由行動中で、龍の友達と思われる男子と回っていた。
…女の子じゃなかった事に安心してしまう。
「あ、先輩」
「お疲れ様」
「文化祭、盛り上がってますね」
龍はいつもの笑顔を向ける。
「そ、そうだね」
…普通に接してるつもりだけど、龍を見ると、あの階段の事を思い出す。
申し訳ない気持ちと、恥ずかしい気持ち。
なんであたし、龍を抱きしめ返しちゃったんだろう。
あの時は先生が来たからはぐらかせたけど、あの後まともに話してなかったし、今すごい緊張してる。
…何話せばいいだろ。



