―――あたしが龍への感情に気づいて2日が経った。

今日は、文化祭当日。


実行委員長であるあたしには、今日の仕事はたくさんある。

文化祭開催の合図とかステージ発表をする生徒の管理とか。

自分のクラスの事もやらなきゃだし…、思ったよりも忙しい。


「奈波、大丈夫?手伝おうか?」


あたしの心配をしてくれて、柚稀と麻友が声をかけてくれた。

それだけであたしは嬉しくなる。


「ううん、大丈夫!それよりも、2年5組の呼びこみ担当頑張りなよ?アンタたちの頑張りで、うちの売上が決まるんだから」

「奈波、どっかの店の店長みたい」


麻友が笑いながら言う。

柚稀もクスッと笑う。


「奈波みたいな店長なら、その店ではバイトしたくないなぁ」

「ちょっと、それどういう意味~?」

「まぁ、無理しないでね?いつでも頼っていいからね?」

「…うん、ありがと」


柚稀と麻友は手を振って、《2年5組 甘味処》と書かれたボードをぶら下げながら歩いて行った。

…あの2人は可愛いから、大丈夫かな。
あ、ナンパとか大丈夫かな?

…ま、その時は川口が守ってくれるか。


あたしは、とりあえず文化祭が成功する事を考えよう。