恋愛話を始めましょう。



―――前に、麻友に言われた言葉を思い出す。


『とうとう奈波にも、春が来るのかなぁ?』


春。恋の事…。

あの時には、あたしにはまだわからなかった。


あたしの、龍への想い。


でも

この尋常じゃない心臓の早さ。


今までにこんな事なかったから?
階段から落ちた興奮状態が、まだ続いてるだけ?


…ううん、どっちも違う。


多分、相手が龍だから。

龍だからあたし、こんなにドキドキしてるんだと思う。
心が、そう感じてる。


……龍は今、どんな気持ち?



――――あたしは、龍の背中に腕を回した。


気づいてしまった恋心。


相手は、第一印象最高、話してみると最悪な後輩。



一言でいうなら『うざい』の後輩だったのに。

今では、どうだろう。

『好き』に変わってしまった―――。



―――『龍は、あたしの事どう思ってる?』