―――文化祭実行委員の会議。


あたしはそれぞれのクラスから出展の項目を聞いて、それを、まとめた。

…奇跡的に、被ったところはなかった。

少しほっとする。


ちなみに、あたしのクラスである2年5組は《甘味処》。
和菓子が好きだっていうあたしの意見を尊重してもらった。

ちなみに、実行委員長の権限は使ってないからね?


「では後日、予算を各クラスに配布します。希望がある場合は、事前にあたしか先生に相談してください。以上」


あたしの令で、会議は終わった。

…今日は、うまくいったかな。
龍にも、何も言われないでしょう…―――。



「先輩」

「えっ!?」


…龍だ。

テンションが一気に下がる。


あたし、今日はちゃんと実行委員長の仕事できてたと思ったのになぁ。


「つかアンタ、1年のくせにいろいろ言いすぎだから!」

「は?なんの事ですか?」

「え、違うの?」

「せっかく、『先輩、実行委員長らしくなってきましたね』って褒めようと思ったのに。台無しですね」


…何、この上から目線。

でも、褒めてくれようとしたんだ。

ちょっと…、ほんのちょっとだけど!!…嬉しい。


「でも、あんまり無理しないでくださいね?」

「え?」

「実行委員長だからって、全部背負わなければいけないってわけじゃないんですから」


龍はそれだけ言うと、帰っていった。