――次の日。
あたしは文化祭を成功させるべく、考えを巡らせていた。
今年は、一般公開の年。
たくさんの人が文化祭に来る。
…そのみんなに楽しんでもらえるようにするには、どうすればいいだろう。
ていうか、まずは何事もなければいいんだけどね~…。
毎年バカやる奴がいるって、先輩から聞いた。
…何もなければいいな。
「おはよー、奈波」
「早いね、どうしたの?」
「ん。柚稀、麻友。おはよ」
「何それ?」
柚稀があたしの書き物を覗き込む。
文化祭の計画表だ。
「へぇ、実行委員長って、そんなのもやらなきゃダメなんだ?」
「さぁ。でも、いちおう考えておいたほうがいいかなって思って」
「あんなにめんどくさそうにしてたのに…。急にやる気になって、何かあったの?」
麻友に痛いところを突かれて、言葉がでなかった。
谷原に言われたから。なんて言ったら、ダサいじゃん。
それに、あたしのプライドが許さない!
「……まぁ、こういうのを真面目にやったら、内申点が上がるかな~って思って?」
「ふぅん?」
ほっ…。なんとか誤魔化せたかも?
柚稀と麻友が自分の席につき、あたしも文化祭の事を考えようとした時――…
「奈波ー!」
クラスの子に名前を呼ばれた。