時は、7年前の秋。
学校内は、近々行われる《文化祭》のせいで、落ち着きがなかった。
そんな時、あたしと奴は出会った。
――――
「文化祭実行委員長の木下 奈波です。よろしくお願いします」
あたしはなぜか、文化祭の実行委員長になっていた。
なんでやっているのか、あたしにもわからない。
……いや、思い当たる事はあるといえばある。
『木下、人の世話焼くの好きだろう?』
担任に言われたこの言葉のせいで、あたしは実行委員長に推薦された。
そして、無理矢理やらされるという結果。
はっきり言います。めんどくさいです。
てか、実行委員長って3年生がやるもんじゃないの!?
納得がいかない!!
…でも、あたしは大人だから?
そんな態度は見せませんよ〜?
……早く話し合い終わんないかな。
「1年4組の実行委員、谷原 龍之介です」
――谷原 龍之介。
なぜか、その名前があたしの頭にインプットされた。
…へぇ。なかなか可愛い顔してんじゃん。
なんて見ていると、ばちっと目が合ってしまった。
谷原はニコッて笑う。
不覚にもキュンッてしてしまった。
…まだ、終わんなくていいやぁ、話し合い……。



