私も、川口くんに伝えたい。
私の想いを…。
…あっ。
「…私も、好きだよ。暁くん」
「!!!」
―――暁くん。
そう呼ぶと、暁くんはまた顔を赤くする。
…なんか、可愛い―。
「……麻友!!」
えっ―――?
「…ほな、またな!!」
呆然としていると、暁くんは逃げるように去って行ってしまった…。
私は1人、頭の整理が追いつかなかった。
ま、麻友って…。麻友って…?
「名前、呼ばれた…。ええっ!?」
私の名前を呼んだ時の、暁くんの顔。
真っ赤な顔で、笑顔で…。
すごく…、かっこよかった。
「…罪だよ」
涙を拭う。
そして、急いで家に入った。
…そういえば、まだ暁くんの携帯番号、知らないなぁ。
明日、聞こう。
時間が経つにつれて、愛おしくなる私の彼。
―――肩についた桜の花びらに気がついた。
それを見て、私は小さく微笑んだ。
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なんか私、柚稀と奈波の事が好きって話が多かった気がする。
でも、もちろん暁くんの事は、ずっと大好きだよ。
…なんて、改めて言うとやっぱり照れる……。
ね、最後だよ奈波。面白い話、聞かせてね?
「プレッシャーかけないでよ!…じゃ、いくよ?」



