「なんか、柚稀ちゃんに話あるらしくてね。起きるまで待ってるって言って、外にいると思うんだけど」


朝倉さんが、私に…?

なんの話だろう…。

不安と焦りが混ざる。


でも、行かなきゃ。


私は店長にお礼を言って、急いで更衣室に向かった。









外に出ると、そこには朝倉さんの姿。

…そして横には、玲奈さん。


「…あ、柚稀ちゃん」


名前を呼ばれてドキッっとする。

玲奈さんもこっちを向いた。


「…あ、あの。店長から聞きました。運んでくれて、ありがとうございました」

「あぁ、いいよ。柚稀ちゃん、軽いし」

「そんな…。―――それで、話っていうのは…?」



そう聞くと、朝倉さんは「あぁ」と言う。

…きっと、玲奈さんの事を言うんだろうな。

でなければ、玲奈さんまでわざわざ私を待ってくれたりしないはずだもん。


…心拍数が最高潮。


あ、また涙が出そう―――…。



「…俺さ、柚稀ちゃんに言ってなかった事があったんだ」


朝倉さんの目がまっすぐと私をとらえる。


――怖くて、私は目を閉じた。

事実を知りたくない。


朝倉さんの口から、聞きたくない。



――――…