ラクガキを終えて、プリクラを半分に切って朝倉さんに渡した。
しかし、朝倉さんは受け取ろうとしなかった。
…あっ!
「…もしかして、いりませんでしたか?」
やっちゃった…。
つい、いつものクセで…。
引いたかな…?
でも、それは違うようだった。
朝倉さんは笑顔で受け取ってくれた。
「まさか、くれるなんて思わなかったよ。ありがと」
「え?」
プリクラって、普通分けるものじゃないの?
でも、受け取ってくれた事が嬉しくて、口元がほころびた。
その時―――…
「幸也?」
朝倉さんを呼ぶ声が、後ろから聞こえた。
…今、幸也って…。
振り返ると、そこには綺麗なお姉さんがいた。
足長っ!!
「玲奈?」
玲奈?
…朝倉さんの、知り合い?
朝倉さんは私の横を通って、玲奈さんっていう人のところに行った。
――それが私には、意外なくらいショックだった。



