「あーー!また負けた!」


ゲームセンターなう。…すいません、調子乗りました。

でも、調子にも乗りたくなるよね!?

だって今、好きな人と遊んでるんだよ?

ゲームセンターで!!


…我ながら、呆れる。
なんでゲーセンなんかに誘ったんだろう…。

だって、男の人ってどこで遊ぶのかわかんないんだもん!!
しかも、大学生の男の人!
遊ぶって言ったら、どこで遊ぶんだろう。

で、私は今、朝倉さんとマリカーで遊んでいる。


「柚稀ちゃん、意外に強いんだねー」

「家でしょっちゅう弟と遊んでいますから」

「柚稀ちゃん、弟いるんだ?いくつ?」

「小5です」

「へぇ~。きっと、柚稀ちゃんに似て可愛いんだろうな」


だから、なんでこの人はそんなにストレートに言うの!?

ニヤけるのを抑えるのにすごい苦労する…。


「…でも、悔しいなー」

「全敗ですもんね、朝倉さん」

「少し手加減してよ」

「大人げないですよ」

「俺は大人じゃないよ」

「大人ですよ~」


笑いながら、再びカートを走らせる。

…また、私の勝ち。


「…違うゲームにしよう」

「リョーカイです」


ほっぺを膨らませて拗ねる朝倉さん。

それを見ると、大人じゃないって言っていた理由がわかった気がする。


でもそれは、朝倉さんの中を知れたようで、少し嬉しかった。