さあさあ!とせかす2人に、麻友は照れながらも左手を見せた。
「アクアマリン!麻友、3月生まれだもんね〜!」
「すごい。みんな誕生石でもらってるんだ」
「2人のを先に見た時、本当に驚いたよ」
3人は、それぞれの指輪を眺めた。
すると、奈波がぱっと顔を上げる。
「ねぇっ。今からさぁ、恋バナしない?」
「恋バナ?」
「みんなそれぞれの人と結婚するんだし、初心に還るのもいいかなぁって」
「それは、単に奈波が恋バナしたいんじゃなくて?」
「それもあるし、柚稀と麻友の話を聞きたい!あの時はどんなふうだったのとか思い出して、あの頃の気持ちを振り返るのもよくない?」
「…そう言われれば、そうだね」
「…若かったなぁ、あの時は」
2人の同意を得られて、奈波はにこっと笑う。
「じゃ、誰から話す?」
「そこは、言いだしっぺでしょ」
「あたしは最後に話す」
「えーっ。ずるいよ」
「じゃあ、彼の年順」
「それって、私じゃん」
苦笑する柚稀を、奈波は満面の笑みで見つめた。
…観念したように、柚稀はため息をつく。
「…もう。しょうがないなぁ」
やったあ!と喜ぶ奈波と、小さく拍手する麻友。
柚稀は軽く咳払いをして、遠い記憶を思い返すように呟いた。
「じゃあ、恋愛話を始めましょう」



