放課後。
今日はバイトが休みで、私は奈波と麻友の3人で遊びに出ていた。
奈波の部活もあったし、こうして3人で遊ぶのは久しぶりだなぁ。
なんて事を考えながら、麻友おすすめのクレープをほおばる。
「んっ!おいふぃい!」
「でしょっ」
私の感想に、麻友は嬉しそうに笑った。
私が食べたのは、イチゴクレープ。
麻友のイチオシだ。
そして、奈波が食べたのはチョコバナナクレープだった。
「絶対イチゴの方が美味しいのになぁ」
「だって、あたしはチョコの方が好きなんだもん」
「ちょっとちょーだい」
奈波に頼み、私はチョコバナナクレープを一口もらう。
あっ、これも美味しいかも!!
なんて、甘いクレープに溺れていて、奈波がニヤリと笑っている事に気づかなかった。
「…ね。もう一口、いい?」
「どーぞ~♪」
なんか、今日の奈波は優しいなぁっ♪
はぁっ、美味しい…。
「柚稀ちゃんって、意外と大食いなんだな」
!!?
いきなり聞こえた、男の人の声。
振り向くと、そこには苦笑した朝倉さんの顔があった。
本来ならば、嬉しい場面。でも……
「クレープ両手食いって、さすがだね」
右手にはイチゴクレープ、左手にはチョコバナナクレープ…。
って、違う!!
「ち、違います!これは、友達のを一口もらってただけで…!」
そう言いながら、チョコバナナクレープを奈波に返す。
奈波はニヤニヤしながらそれを受け取った。
くっそぉ…。奈波、絶対気づいてた…。



