「あの…、送ってくれて、ありがとうございました」
「あ、うん。気にすんな」
あの後。
なんだか恥ずかしくて、朝倉さんとまともに話ができなかった。
朝倉さんも、私と同じだった。
顔は、相変わらず熱いまま。
「…じゃあ、またバイトで」
「は、はい…」
朝倉さんは微笑みを見せて、そのまま帰っていく。
…私は、帰っていく朝倉さんの背中をずっと見つめていた。
―――今までにない感情が、あふれだす。
それは体温となって上に昇ってくる。
私、朝倉さんの事、好きになったのかな…。
出会ってからたったの3日だけど…、私は、朝倉さんの事が好き。
「…っ」
好きって気づいて、他にも気づかされる事がある。
私は高校生で、朝倉さんは大学生。
4つ差。
――大きい差に、気づかされる。
「…いや、年なんて、関係ないよね」
私は携帯を握りしめた。



