家に着くまでの間、私と朝倉さんは他愛のない話で盛り上がった。

ほとんどは私が話をしていたけど、朝倉さんはちゃんと聞いてくれる。


「最近の女子高生は、ずいぶんパワフルだね~」

「そんな事言ってると、おっさんくさいですよ」

「柚稀ちゃんの年から見たら、俺は十分おっさんだよ」

「えっ、いくつですか?」

「21」

「まだまだ若いですよ!」

「はは、そう?」


4つ差かぁ…。

そう意識すると、なんだか朝倉さんが急に大人に感じてくる…。

そして、自分が子どもに思えて…、少し悲しくなる。


「―――柚稀ちゃん?」

「えっ?」

「大丈夫?急に黙り込んで…」

「あ、すいません…」


いけないいけない。
…あ。今日の事、聞いてみようかな。


「…今日一緒に来てた人って、友達ですか?」

「うん、そう。大学の同級生」

「その人が言っていた、《ユキヤ》って、誰の事ですか?」


…そう質問すると、急に黙り込む朝倉さん。

何か、まずかったかな…。