「今日も頑張ってるね。だいぶ、仕事覚えたんじゃない?」
「そ、そうですか?」
ならよかった…。
復習した結果が出たのかな。
「おっ。この子が例の子?」
と、1人の男の人が私を見て言う。
…例の子?
とりあえず、お辞儀しておこう。
「結構可愛いじゃん。いくつ?」
「えっと、17です」
「17!?若いね~!」
…ちゃらい。
私、こういう人はちょっと苦手だな。
「ね、ね。幸也なんかやめて、オレにしない?」
「ゆきや…?」
って、誰それ?
「おい。柚稀ちゃん困ってるだろ?…ごめんね、仕事の邪魔して。チーズケーキとコーヒーを2つずつ」
「は、はい…。少々お待ちください」
男の人を押さえながらオーダーする朝倉さんにお辞儀をして、私はためらいながらもそこをあとにする。
その後も、朝倉さんとその男の人が言い合っているのが聞こえた。
仲いいんだなぁ。
それにしても、ユキヤって誰だろ?
その疑問が、私の中をぐるぐると回っていた。



