「久しぶりだねー。こうして集まるの」
コーヒーを飲みながら柚稀が呟く。
それに、奈波と麻友は同意した。
「前にやった同窓会ぶり?まぁ、あの時はみんな一緒だったから、こうして3人ではいつぶりだろ」
「同窓会と言えばさ。びっくりしたよ!まさか麻友と川口が結婚するなんてさぁ!!」
奈波が大きな声で言い、麻友は紅茶を吹きそうになった。
「ちょっ…、声が大きいよ!」
「まだ続いてたんだねぇ。高2からだから…、7年?」
「そんな事言ったら、柚稀と奈波も7年じゃん」
「そうだねー」
懐かしそうに柚稀は微笑み、そして左の薬指にはめられた指輪を見つめた。
「あの頃は、本当に必死だったなぁ…」
柚稀の呟きに、奈波も懐かしそうに目を細めた。
「必死だったのは、柚稀だけじゃないよ。あたしだって、そうとう必死だったし」
「奈波は一番うるさかったよね」
「えーっ、そう?」
麻友の呟きに、奈波は「あはは」と笑った。
すると、突然柚稀が怪しく笑う。
「ね。奈波と麻友のも見せてよ。もらったでしょ?指輪!」
「あ、見たい?」
待ってました!と嬉しそうに笑いながら、奈波は左手をテーブルの上に乗せた。
薬指には、ルビーの指輪が光っている。
「ホントはダイヤモンドがよかったらしいんだけど、買えなかったんだって」
「高いもんね〜」
「あ。そういえば、柚稀のはダイヤじゃん!」
「まぁ、4月生まれだから♪」
「みんな、誕生石なんだ」
指輪の見せあいっこを、麻友は笑いながら見ていた。
「麻友も、笑ってないで見せなさい」
「え?」
「もらったでしょ?川口に!」