むかつく…が、体育館の入り口ふさいでたのは事実。 だからとりあえず脇によけて頭を下げる。 「すいませんっした」 「ん」 堀北さんは、涼しげな顔でコートに一礼して足を踏み入れた。 バスケ部員なら誰でも最初に仕込まれる礼儀なのに。 この人がやると、悔しいくらい絵になる。 なんとなく目で追ってたら、その背中がゆらっと動いた。 肩ごしに、顔だけこっちに向けて。