桜というのは、残酷な名前だと思う。 サクラ、なんて、 散っていくだけで儚すぎる。 一瞬だけ愛されて、散って、 踏まれていく運命、だなんて… * * * * * * 「さくら、あのね。 あたし好きな人できたの。」 美南は可愛い顔を赤く染めて、 恥ずかしそうに言った。 まるで、少女マンガのヒロインみたいに可愛くて、羨ましい。 「だれ?」 「あのね… ゆ…うだいくん……」 雷に打たれたかのように驚いた。 そして、海のような不安が過った。 不安?ちがう。確信だ。 暗く、深い確信。