「そーいえば、葉月。彼氏、いたことないんだっけな」

大翔の冷ややかな視線が突き刺さる。


「じゃあ、初めてだよな?」

「は、初めてに……決まってんでしょ……っ」

まともにしゃべれない。

こんなに激しいキスだったなんて、知らなかった。


「……お前、訊いたよな。なんで、彼女作んねぇんだって」

私は話すのをやめて、うなずく。


「作んねぇんじゃ、ねぇんだよ。お前が好きだからだよ」

「……?」

え、大翔が……?


あの生意気な大翔が、私のことが好きなんて考えたことさえなかった。