あー、怖い。
女の嫉妬なんて、的に回すもんじゃないよねぇ～…やっぱり。
「ちょっと私――」
『あのっ』
「・・・何？」
思い直して、立ち去ろうとすると、池波くんに遮られた。
『今日、時間ありますか？』
「…え？」
少し、嫌な予感がするのは私だけだろうか。
『いつも志葉先輩にはお世話になってますし…お礼させてください！』
「・・・！」
池波くんは良い子だと思う。
だから、嫌いじゃない。
だけど――…
「ごめん、私、予定あるから。」
『あ――』
「お疲れ様、」
それよりも、面倒事になるのだけは御免だ。
