本当、何なのよ。
いつもみたいに、子供な顔を見せると思ったら、突然、そんな大人な顔をして。
そんなに大人女子を…からかうんじゃないわよ。
「こら、前見て歩かないと転ぶよ。」
『イテッ、痛いじゃないですか、先輩ー。』
それがなんだか妙に悔しくて、池波くんの頭に一発。
そんなに痛いはずがないのに、痛そうにしている池波くんを背に、私はほくそ笑んだ。
『先輩は、好きなこととかないんですか?やってて楽しいとか、安らぐとか…』
「そりゃきまってんでしょ。」
『何ですか?』
そんな質問は、私には愚問としか思えない。
「寝ることと、癒されること。」
そう。
それだけ。
他にはなーんにも求めない。
私の休日は、ほぼそれらを満たすだけの為にあるようなものだし。

