『――志葉先輩。』

「はい?あ・・・池波君。」


あとちょっとって時に声を掛けられて、少しキレ気味に返事をしてしまった。

あーもう…これだから嫌なんだ、残業は。

定時までが完璧な私でいられる範囲なのに。


『あ、いえ、あの…。』

「何?」


さっさと用件言ってよ、もう。

早く帰りたいんだから。


『今日、一緒にかえりません?』

「・・・は?」


一緒に?

って、池波君と?


――どうして。


出来れば、あまりプライベートの自分になりつつある私と一緒にかえる事はおススメしない。