その日、驚くほどにいつも通り時間が過ぎて行った。
気付けばもうすぐで定時だ。
被害妄想してワーキャー言ってた自分がバカみたい…。
自分を恥ながら、今日も私は給湯室で休憩中。
それにしても…一体池波くん、どうして言わなかったんだろう…?
“いつもキまっててお堅いあの志葉さんが、本当は部屋も汚い格好はダサダサのダメ女”なんて、誰もが食いつきそうなネタなのに…。
忘れちゃってたとか…?
いや、強烈でしょ、あれは。
忘れられるわけがないよ、うん。
よっぽどの能天気に生きてる人じゃない限り。
「はぁ~…。」
まぁでも…バレテないんだから、良いんだよね?
コーヒーで気持ちを落ち着かせ、今日はいつも以上に疲れたと思っていると――
『――あ、やっぱりここにいた。』
「っ!!?」
今まで頭の中を支配していた池波くんが手に缶コーヒーを持って現れた。
しかも…その笑顔がすごくキラキラしていて、怖い。

