なんとか匂いを消して眠りに着いた。





 朝、起きてキッチンに行くと迷惑なことに俺の朝ご飯だけ奴の手作りらしい。





「音ちゃんが頑張って作ったのよ~。お昼ご飯のお弁当もね!」



 母さんは嬉しそうに俺に弁当箱を差し出す。




 親父のはいつも通り母さんのだ。





 俺、あっちがいいのに。




 こっそり親父のと代えてしまいたい。





 朝飯は爽やかな時間を過ごしたかったのに、これじゃあ何かの実験だ。




 真っ黒なものがたくさん並べられている。





「…マジかよ」



 え、これ…何。




 全部黒くてヤバい。




「俺、今日腹の調子悪いからやめとくわ」

「…そうなの? 薬いる?」

「平気」



 これ食ったほうが腹ヤバそう。




 朝飯抜きで準備を始める。