溺愛男子


「琉、夕飯はー?」


 階段の下から母さんが呼んでる。




 寝れないし、仕方なく降りて行くと俺の椅子の隣に座ってるアイツ。





「琉君~、冷めちゃうよッ」

「…」

「無愛想なんだから~! 照れ屋さん?」

「…」



 やたら野菜ばかり食べてる奴はあまり食べないらしい。





 …小食すぎるだろ。




「音ちゃん、たくさん食べてね?」

「…私、あまり食太くないんですよ~…」

「そうなの? お年頃なんだからたくさん食べなきゃね」



 母さんはそういいながら親父に食べ過ぎだと怒られてる。




 母さんはいつまでお年頃なんだろうか。





「莉子、お前は昔から食い意地張り過ぎ」

「良いでしょ! 優も食べればいいじゃない」

「食ってるだろ」



 仲がいいのか悪いのか分からないけど…、昔からこんな感じらしい。





 母さんが言ってた。





 昔から親父は意地悪だったって。