めんどくせぇ…。



「ねぇねぇ」

「何」

「この街、案内してよ~」

「…めんどくさい」



 …あ、やっぱ俺…めんどくさがり屋治ってねぇみたいだ。




 杏里だけだ…。




「音ちゃん、ごめんね。琉は面倒くさがり屋さんだから…そういうの頼んでもやらないのよ…」



 申し訳なさそうに母さんが言う。




 べたべたする奴はなおさらだ。




「えー…けちぃ」




 誰がだ。




 杏里には言われても何ともなかったのに、何か腹がが立った。



「部屋にいる」

「私も琉君の部屋行きたーい」

「入るな」



 適当にあしらって部屋に戻る。



 めんどくせぇ…。