部屋を出てきてから1時間くらい経ったところで、リビングの扉が開いた。
「琉…」
「うわ…杏里か…」
声で分かって急いで振り返ると……泣いてる。
あ…うなされた…?
急いでソファから立って杏里に駆け寄り、リビングを出た。
「大丈夫か?」
「…うん」
「怖い夢でも見た?」
「ちょっと…」
「ん…もう大丈夫だから」
杏里を抱きしめて背中を撫でてやると落ち着いたのか鼻声が元に戻った。
…本当は全部ぶちまけて俺に不安を教えてほしい。
「ごめんね、みんなで話してるのに…私帰るよ…」
「ダメ。今日は泊れ…部屋に戻ろう」
もう一度俺の部屋に行き、杏里をベッドに寝かせる。
あ…夕飯食ってねぇな。
「ハラ減った?」
「平気…」
まだ眠そうに俺の右手の袖をつかんでる杏里。