近くにあったブランケットを杏里にかけてくれたおじさん。
「あ、どうも」
「そろそろ娘来るから起きちゃうかも…うるさいから」
「起きたら起きたでいい」
髪を乾かし終わった俺はドライヤーを片付けて、杏里の袖から見えていた傷を隠す。
シャワー…滲みたかな。
消毒もしておこうか…。
「おじさんちょっと出て行って~」
「俺がぁ?」
「あ、いいや…俺の部屋に連れてく」
「…それはそれで…何見ても気にしないから」
「…まぁ、いいけど…」
救急箱を取り出してきて、母さんとかが来るまでに足と腕の消毒をした。
今気付いたけど…口元も切れてる。
少しだけ口にも消毒液をつけておいた。
相変わらずすげぇ痣。
治る気配がない。

