溺愛男子


「あー…ちゃんと前閉めろ」

「ん…」



 パーカーのチャックを半分くらいまで閉めて白い肌を見せながらリビングに入ってきた杏里。



 チャックを上げさせて、俺の部屋からドライヤーを持ってきた。





 タオルでずいぶん水分は拭き取ってあった。





「座って」

「はーい」



 おじさんの横に座らせて俺はソファの後ろに立つ。



 コンセントに指してドライヤーを杏里の髪に当てた。




「琉…眠いぃぃ…」

「終わったら起こすから寝てろ」

「ん…」



 うとうとし始めた杏里は眼を擦りながら寝ていった。





 初日は色々ありすぎて疲れたみたいだ。





「寝顔可愛いね~、子犬見たい」

「あんまり見ないで~」

「独占欲ですか」

「違う」




 おじさんにからかわれて、必死に耐えた。