溺愛男子


「あ、そうそう。俺、ちょっと海外に出張行くんだけどさ」


 夏弥さんは相変わらずにこにこしながら話す。




「娘、4日間だけ預かってもらうことになったから…仲良くしてあげてね」

「この家で?」

「うん」

「たしか…今…受験生だっけ?」

「もう終わったよ。4月から花の女子高生~。同じ学校だよ」





 …あー…なんか思いだしてきた。




 この前会ったのが…俺が中学を卒業するときくらい?




 向こうは中1だったかな。





 …すごいハイテンションな子だった気がする。




「今日来てんの?」

「後で俺の奥さんと一緒に来るよ」

「奥さんもおじさんに着いてくの?」

「うん。明後日から行く予定だから…明日から預かってもらいまーす」



 名前は覚えてないけど…。





 聞く前に杏里が風呂から上がってきた。