溺愛男子


「ただいま」

「おかえり~って杏里ちゃんも一緒なの?」

「あぁ…、風呂沸かして。杏里風邪ひく」

「はいはい、杏里ちゃんちょっと待っててね」



 杏里をリビングに通してタオルで拭いてやった。





 自分で拭けるって!と騒いでいるが無視。




 鈍臭いから。



「お、琉君。おかえり~」

「あれ、久しぶり~」




 杏里の頭をタオルでごしごししているときに、おじさんの夏弥さんが入ってきた。





 夏弥さんは親父の弟で年齢のわりに若過ぎる爽やかな人だ。





「彼女?」

「違うから」

「へぇ~。可愛い子だね」



 ソファに座ったおじさんは杏里を見つめる。



 杏里は不思議そうにおじさんを見る。


「お兄ちゃん?」

「…ちげぇよ。おじさん」

「おじさん!? 若ッ」




 親父と1つしか違わないのに。