溺愛男子


 コンビニの中は温かくて、外に出るとさすがに寒気がした。





「…あー、寒いな…」



 腕を摩りながら道を歩く。





 お茶…温かいのにすればよかった。





 あのぼろアパートに暖房があるはずもなく、やっぱりどこにいても寒い。






 たぶん0℃よりは低いであろう気温に耐えながら一歩一歩進む。






「…は、くしゅッ…」



 信号で止まっている間にくしゃみが4,5回。




「服も買わなきゃ…」




 防寒具も欲しい。




 前住んでいたところより寒いのかな。





 早く帰ろうと思い、ポケットの中にある鍵を探す。





「…え、ないっ…?」