「俺も明日一緒に行ってやるよ…」




 俺はいつからこんなにお節介になったんだろうか。





 嬉しそうに笑う杏里を見ながら思う。





「ケータイも買うからな?」

「うん!」

「金…あるわけ?」

「内緒で貯めてたし…おばあちゃんの財産ももらったの」



 通帳を手に取って言う。





 その心配はなさそうで良かった。





 今までどんな生活をしてきたのだろうか。




 怖くて聞けなかった。





「じゃあ俺、帰るから」

「うん!」

「明日10時迎えに来る。ちゃんと戸締りして寝ろよ?」

「はいはい」

「…分かってんのかよ」



 駄目だ…話すたびに不安が募っていく。




 急いで家を出た。