「ん、早くー」
「……」
俺が急かすと本当に一瞬だけ触れた唇。
いつも俺がしてるキスなんかよりずっと短くて触れてる部分も小さいのに。
今までのキスの中で一番嬉しかったかも。
「パパ、ママまだぁ??」
「ん、わりい」
愁の目を解放するとくりっとした目でこっちを見る。
杏里もこっちを見ていて同じ顔。
あーぁ…愁、お前女顔になるんじゃね?
どっちかっていうと俺も母親似だし。
今だって杏里の小さいころを見ているようで。
「やっべぇ…マジ可愛い」
二人ともを抱きしめると嬉しそうに二人が笑う。
「「苦しい~」」って。

