「あーんり♪」

「あーんりぃ♪」

「なんだよ、愁(しゅう)マネすんなよー」

「しゅんなよー」




 杏里の膝に乗っている愁。




 俺と杏里の愛の塊。





「愁ばっかりずるいじゃん」

「琉…何いってんの」

「杏里ー、こっちおいで♪」



 まるで子供を誘うように杏里に向かって手招きする。





 それでちゃんと寄ってくるんだからいいだろ?





 ちょこんと俺の膝の上に座らせる。





 また愁が杏里の膝に乗る。





「愁、ちょっと目瞑ってて」



 俺の手で顔まで隠れてしまいそうな愁の目を覆う。