溺愛男子


「家に帰る途中だけど」

「…この近く?」

「そこ」



 杏のマンションの前にある一軒家を指さす。



「ちかッ…」

「来る?」

「行く!」



 素直な奴でなかなか憎めない。




 ライバルに変わりはないけど、俺はこいつも好きだ。




 友達としてな(笑)




「お邪魔しまーす…」

「あら、友達?」



 家に入ると母さんが笑顔で迎える。




 父さんは相変わらず無愛想であんまり笑わない。





「駒田皐月です!」

「琉の母です~。ごめんね、琉無愛想でしょ?」




 母さんは皐月の手を掴んで無理矢理ソファに座らせた。




 父さんの眉間にしわが寄ったのは後が面倒だから手は突っ込まない。