「琉も杏里のこと好きなんだろ―? つか、付き合ってるしな」
「…別れた」
「は?」
水滴の付いたオレンジジュースの入ったコップを置いた皐月は真剣な目でこっちを見る。
「なんで」
「別に理由はない」
なんだか俺も二人が両想いなんだっていうのを認めたくなくて。
ちゃんとした理由は応えれない。
「杏里のコト…好きじゃねぇの?」
「――――――…あぁ。好きなんてありえねぇ」
だけど、突き放してしまう俺もいて。
「なんだよ、それ!!! 杏里は琉のこと絶対に大好きだ! お前…なにやってんの!?」
まさか杏のことを好きな奴にそんなこと言われると思ってなかった。
「遊びで付き合ってたってことかよ!!」
「それはお前も一緒だろ!?」
まさか俺がそのことを知ってたと思わなかったであろう、皐月は目を見開いた。

