溺愛男子


 皐月に別れを告げられたのも土砂降りの日で。




 今日も同じように雨が降る。





 もしかしたら、琉にも別れを告げられる。





 そんなことを考えてしまう私はやっぱりどこかで皐月を想ってる。





 私ってズルい。






 きっと皐月は私を探しに来たんだろう。






 何のため?




 私をまた傷つけに来た?





 実は残ってたりする皐月との写真も今じゃゴミ。




 そう思いたいのに、なぜか捨てなかった私はやっぱりズルい。





 琉にこんなに大切してもらいながら他の人を想うなんて琉と付き合う資格なんかないでしょ?