溺愛男子


 いつの間にか俺の肩に当たってた雨に気付いて急いでホテルに戻る。




 1人静かな空間が好きだ。




 でも、ここに杏里がいたらなんて考えると頬が緩むと同時に胸が締め付けられる。





 今頃、杏里何してるかな?




 雨で濡れた体でうろついてない?




 風邪ひかないように温かくしてね。





 頬に流れる温かいものに気付かずに呟く。





「杏里、愛してる」





 何もいらない、杏里さえいれば。