「…杏、俺絶対杏を話さないから。安心してて?」

「…うん」



 杏の頭をゆっくり撫でる。



 震えがだいぶおさまるころに丁度雨が指に当たった。




「やべ、降ってきた…」

「傘持ってないっ!!」

「走れる?」

「う、うん」



 俺は杏の腕を引いてとりあえず雨の当たらないところに移動する。




 走っているとどんどん当たる雨の量が増えてくる。





 結構降るな…。




「あー…この辺でいいか」



 濡れてる杏の髪を持っていたスポーツタオルで拭いてやると猫みたいに笑う。




「琉も拭いてあげる―♪」



 俺からタオルを奪うと背伸びをして俺の髪をぐしゃぐしゃにして拭きだした。




「…琉、背高いねー」

「杏がちいせぇの」

「私は普通だよ」



 少ししゃがんでやると嬉しそうに眼を細めた。