「最近冷えるねー…」

「だな。俺が添い寝してやろっかー?」




 真夏なんて本当にあっという間に過ぎた。




 杏は寒そうに手を擦り合わせる。



「冗談やめてよねー」

「杏、冷え性だからな…マジで寒いだろ?」

「んー、平気だよ」



 杏は大丈夫だと言うけど、手と頬を真っ赤にして言われても説得力がない。



 俺は杏の片手を取って俺の手に包み込んだ。




「あったかーい」

「だろ? 俺の手最高!」



 クスクスと笑う杏は最近笑顔が増えた。



 やっぱり時間が解決してくれるみたいだ。




 俺が少しずつ時間をかけて癒してやるよ。





「ていうかもうクリスマスモード…」

「だな。あ、予定空けとけよ」

「うん! ていうか、琉くらいしか過ごす人いないしー」

「島田は、雪か」

「そうだよ」



 島田と雪は喧嘩多いけど、なんとかやってるみたいだ。




 いつも結局は雪が頭を下げる。