溺愛男子


「島田だって俺らがキスすると思う?」

「いや、思わないけど」

「だろ? ほら、解決! もういいじゃん」

「…ん」



 なんだか納得のいかない顔をしてるけど、後は二人で解決しろ。





「…雪も後からちゃんと全部話せよ? 島田も分かってくれるって」

「おう…」




 何だか新学期早々、面倒くさい日だった。




 午前中で学校も終わり、杏と一緒に帰る。




 
「あれ、本当はどういうことなの?」

「あ、やっぱり分かってた?」

「当り前でしょー。私、琉と家にいたし」

「だよな。ま、黙っててくれてありがと」



 杏は「いいよ」とにこっと笑った。



 本当のことを全部話した。




「雪君らしいね。私も真弥ちゃんと誕生日プレゼント買わなきゃ」

「そうだな。また一緒に行こうか」

「うん!」