本当にギリギリで先生と同じタイミングでついた教室。




「セーフッ!!」

「間に合ってよかったね~」



 ニコニコと笑う杏はもう目が覚めたのか、機嫌がよさそうだ。




 そりゃあれだけ走れば、目も覚めるだろう。





「お前らギリギリすぎだろ」

「杏が起きないんですよ」

「はいはい」


 先生はめんどくさそうに頷くと教卓に立った。




 俺らも席に座る。




「あ、雪」

「んー?」

「俺ら付き合うことになった」

「へぇー…」



 こっちを見ようともせずに頷いた雪。




 杏も真弥とか言う子に報告したのか、嬉しそうに2人で話してる。




「なんだよ、雪。もう少し反応しろよー」

「完全に付き合うだろって予想してた2人がその通りになると、反応しづらい」