「ねぇ琉」

「んー?」


 ソファに座ってくつろいでた俺は起き上がって杏を見上げる。




 うわ、なんか杏に見降ろされるのって新鮮。




「琉の傍にずっといてもいいかな?」

「…急にどうしたの。さっきまで機嫌よく飯食ってたのに…」

「やっぱり不安になっちゃう」




 眉を下げて本当に不安そうに自分の服の裾をキュッと握ってる。




「杏」



 俺は裾を握ってる杏の手を掴んでこっちに引っ張った。



「うわッ」



 簡単に俺の胸に飛んできた杏を受け止める。




 俺の膝の上に向き合い状態で恥ずかしそうに顔を隠した。




「杏」

「何ー?」


 こっちを見ようとしない杏は耳まで赤い。




 杏ってこんな照れ屋だったっけ?