溺愛男子


「はい、ムードブチ壊し―」

「えー??」

「カップルっぽいって俺、何すりゃいいかわかんねぇんだけど…」




 あんまり会話が成り立ってない俺らだけど、出会ったときからこんな感じだし。




 なんかこれが俺らの普通って言うか。




「琉は彼女さんいたことあるんでしょ?」

「おー…」

「何人?」

「いいから食え」



 杏のスプーンを奪い取って一口分掬ってから杏の口に押し付けた。





 言えるわけねぇだろ!!??




 到底想像できる人数じゃねぇ。





 告白されたら付き合うみたいな、そんな俺だったし。




 俺でも覚えてねぇ。





 たぶん…2ケタではおさまってると思うけど。




 1日1人状態だったし。