溺愛男子


「ハラ減ってねぇ?」

「少し…」

「俺人生初の手料理作ったんだけど…食う?」




 俺の人生初を杏にあげる。




 キスだって、付き合うのだって、杏が初めてじゃなかったけど。




 俺の手料理と初恋は杏だぜ?





「食べるっ!!」



 俺が苦労して作ったお世辞でも上手そうとは言えないオムライス。




 たぶん味は大丈夫だけど。




「おいしそう♪」



 本当にそう見えるのか、気を遣って言ってくれてるのかは分からないけど…上手そうに食ってる杏。



「おいしいよ!」

「ソース付いてるし…」




 杏のほっぺに着いてたソースを指で拭って舐めた。




 少しだけ赤くなった杏。




「さっきのカップルっぽいね!」



 照れ隠しをするように言った。