*琉side*




 杏を抱きしめていると静かに聞こえてきた寝息。




「…この状況で寝ちゃう?」




 笑いをこらえながらも杏の愛しさをかみしめる。






 杏が俺の元に戻ってきた。





 1日離れただけなのにあり得ないくらいの不安が襲った日だった。





 暫く杏の寝顔を見ていると、理事長が戻ってきた。





「…あの男は警察に渡して着たよ。杏里ちゃんはもう帰っても大丈夫だ。家の者に車を手配させるから乗って杏里ちゃんをベッドで寝かせてあげてくれ」


「はい…ありがとうございます」





 理事長は本当に尊敬できる。




 笑顔を見せた理事長。