「もともとは私が悪いんだからね? 琉が自分を責める必要は全くないよ」

「…杏、やっぱお前は強いよ…」




 苦しそうに笑った琉は私を引き寄せる。




 きゅっと力強く抱きしめられた体は琉の胸に埋まって行く。






 …琉の心臓の音が私まで伝わってきた。






「…追いかけてきてくれてありがとう」

「杏、俺らの街に帰ろう?」

「うん…」




 琉の胸と声の安心感で眠気や愛しさが溢れる。





 そこから意識が遠のいた。