「…琉、すごく嬉しかった。助けに来てくれて」
「でも助けられなかった」
「それは仕方ないの。お金の問題は私たち学生にはどうしようもないよ」
だけど…と下を向いた琉は私の手をそっと握る。
…冷たい。
「琉が助かっただけでもすごい嬉しい」
「…何いってんの…」
「琉が傍にいなかったら私も苦しいもん。離れ離れになるなんて絶対いや。そんなのプライドなんかどうでもいい」
琉さえいてくれれば私は生きていける。
本当にそんな感情なのに。
カッコ悪いとかで片付けないでよ。
「…琉、私ね…琉が思っている以上に琉の事大好きなんだよ?」
「…杏」
「離れて行かないで…?」
本当に止まらない涙。
もう、嫌だよ。
琉がいないなんて本当に無理なの、わかってるの?