車のドアが閉められる。 私は立ち尽くしたまま、ただ琉の顔を見ることしか出来ない。 情けないよ。 こんなに大切な人を守れないなんて。 琉は琉なりに私を守ってくれたのに。 「琉…傍にいてよ……」 離れて行かないで。 あんなに毎日一緒にいた人がこんな簡単にいなくなるなんておかしい。 いつも呼んだらすぐにきてくれたのに。 笑ってくれたのに。 どうして泣いてるの? どうして離れてくの。